防蟻(シロアリ)

住まいの安全とトラブル対策

木造住宅の最大の敵が「シロアリ」です。

女王アリを中心に、数万~数十万頭という膨大な働きアリがグループとなって腐朽した木部や湿った木材を休みなくかじり続けます。柱材など1年で10mも食べてしまった例さえあります。

しかも多くの場合、床下や小屋裏など目につきにくい場所で繁殖するので、住人がなかなか気づきにくいのが困りもの。木造住宅にお住まいの方にとって、その対策は最重要なテーマの1つでしょう。

シロアリってどんな生き物?

日本に生息するシロアリは、主に下記の2種類です。

  • 北海道の一部を除き全国に分布するヤマトシロアリ
  • 関東地方以南に分布するイエシロアリ

これらは実はアリではなく、カマキリやゴキブリの近縁種で、特に羽が生えている状態では羽アリとそっくりに見えるので注意が必要です。
見分け方は、寸胴な胴体とほぼ同じサイズの4枚の羽、直線的で鎖状の触覚などがシロアリの証拠です。
特に4~7月(沖縄は2月頃から)にかけて、こんな姿の羽蟻を見かけたらシロアリ発生を疑いましょう。
また近年では、被害が深刻化しているカンザイシロアリの報告もあり、全体の被害割合としては少ないですが、一般的にはなかなか察知しずらいものもあります。

シロアリの被害とはどんなもの?

シロアリは土の中にコロニーを創り、建物の土台や柱などを行き来しながら木の中の柔らかい部分を食べ続けます。食べるのは木の中身だけで表面を残していくため、外から観察してもなかなかわかりません。放置すると壁や床だけでなく土台や柱の継ぎ目、筋かいといった建物を支えている部分までかじられてしまい、建物の強度が不足してしまうこともあります。ひどいときには家が傾いてしまうことさえあり、資産としての住宅の価値が大きく下がるのは言うまでもありません。

シロアリ被害はどんな場所が狙われるの?

シロアリが特に好むのは腐って朽ちた木部や湿った木材です。木部が腐朽すると木部が菌によって分解されますが、その成分の中にシロアリを誘引する成分が含まれているからです。そのため床下を中心とする湿気の多い場所が狙われます。

ただし、イエシロアリ自身が水分を運ぶこともあるため、小屋裏まで被害が広がることも珍しくありません。また、床下に放置されたカンナくずや木片、建物周囲の木柱や垣根、木片などにも住み着くので、新築や改築の工事後は床下や周辺を確認しましょう。

シロアリ発見法

シロアリ対策は、被害に遭った柱など木部に駆除用薬剤を注入したり、周辺に散布するなどの方法がありますが、やはり専門の業者に駆除を依頼するほうが安心です。できるだけ早く駆除することが望ましいので普段から下記のようなポイントに留意しながらシロアリ発生に注意し痕跡を見つけたらきちんと確かめて専門業者に連絡しましょう。

  • 4~7月に羽蟻のシロアリが飛んでいませんか?
  • 床下の布基礎の表面などに泥で固めたチューブ状の「蟻道」や木の割れ目や継ぎ目に「蟻山」(シロアリの排出物や土砂の小山)はありませんか?
  • 木槌で床下の木材や地上の柱、梁などを叩いて空洞音を確認しましょう
  • 自宅近隣でシロアリ被害が発生した場合は要注意です!半径40m範囲は地中の蟻道でつながっていることもあります。
  • 木材の小口面に年輪のような同心円状にまた、柾目綿の場合は直線上に穴(食痕)が開いていませんか?
  • 柱にたくさんの小さな穴が開いている場合も警戒が必要です。

防蟻処理は5年を目処に

シロアリ対策の基本は新築時の防蟻処理と定期的な再処理です。
これは専門の業者に依頼して行うもので、認定薬剤を使用して防除施工標準仕様書及び安全管理基準に基づいて処理します。
具体的には建物の基礎の内側や束石周囲などシロアリが通る土壌に薬剤を散布する土壌処理と木材に薬剤を吹き付け、あるいは塗布したり注入する木部処理の2つがあり、この両方を行います。
しかし、薬剤の効果は時間の経過とともに低下するので、定期的にこの処理を繰り返す必要があり、通常では5年を目処に再処理をすることが望ましいとされています。
また、このような処理を行ってもシロアリの被害を100パーセントを防げるとは限りません。定期点検を欠かさず行うのはもちろん、住まい手自身も日ごろから注意すると良いでしょう。

床下を点検するには

特にシロアリが発生しやすい床下は、できれば半年~1年に1回程度、点検したいところです。点検にあたっては、まず床下に入るための点検口を確認して用具を準備します。点検口は床下収納庫や和室の畳の下などにあります。
点検用具は懐中電灯にマスク、軍手、運動靴、汚れてもいい動きやすい服、メジャーに双眼鏡等々、もちろんヘルメットも必須です。またシロアリ/羽蟻を判別する写真撮影用にカメラも持参しましょう。床下では、狭くなったところに身体をはさまれないよう注意してゆっくり進みます。
自信がない場合は無理をせず、床下入り口から懐中電灯を当て、見える範囲だけでも確認しましょう。